第2回 さまざまな自動思考 今回は自動思考といわれるものにはどんなものがあるかをあげてみたいと思います。
思いあたることがあるかもしれません。
@ 結論の飛躍
どういうことかいいますとたとえば受験に失敗したらそれは人生に失敗したと考えて
落ち込んでしまうようなことです。
長い人生はうまくいったりいかなかったりと山あり谷ありです。
そのような幅を持って物事がとらえられないことをいいます。
A 全か無か思考
たとえば仕事でひとつの課題ができなかったとすると仕事全体がうまくいってないと
考えてしまい落ち込んでしまう。
これはきちんとできている仕事もあるのにできたかできないかったかという極端な
思考に陥ってしまうことをいいます。
B 誇大視
どういうことかといいますとたまたまその日悪いことがあったとするとそれを自分の
人生がすべて悪いことばかりのように結びつけでしまうことです。
たとえば上司に怒られてしまってもう自分は生きている価値がないなどと考えてしま
ったりしまい落ち込んでしまう。
でもそれはたまたま上司の虫の居所が悪かっただけかもしれません。
ささいなことを大きくとりあげてしまうようなことをいいます。
C 決めつけ
「自分はうまくいったためしがない。だから今回もうまくいかないと思う。」とはじめか
物事を悲観的にかんがえてしまう。
このような考えかただとささいなことも肯定的にとらえられず落ち込みを作りやすくな
ります。
D 関連付け
例えば子供の成績が悪いのは親が私の子育てが悪かったせいだと考えるような
ことです。
成績と子育ての関係ははっきりしていません。自分を責める気持ちが強いとそれだ
け落ち込みやすくなります。
以上の分類はそれぞれ重なることもあり厳密なものではなく大まかに考えてください。
どうでしょうか?当てはまる項目はありましたか。
さまざまな思考の歪みがありそれが感情面に大きな影響を与えていることをまずは頭に
とめておいてみてください。
第3回 実際に自動思考の記録をつけてみる
さて今回は実際に自動思考の記録をつけてみます。
僕がよく診察のときにお渡しするのは下のような表です。
実際の記入例をのせてみました。
このように自動思考を再評価することにより客観的に自分の自動思考がわかるように
なると思います。
日常的に繰り返すことにより歪みが修正されて気分の落ち込みも軽くなるはずです。
できれば近くに一緒にチェックしてくれる人がいるといですが。
パニックの不安についても状況ごとに書いてみると少しずつ自分の頭でそのときの状況
が理解できるようになり不安症状がなくなって少しずつ改善することが可能になります。
記録表をこちらからダウンロードできます(PDF adobe reader が必要です)
日付 |
状況を簡単に記入してください
|
感情
0−
100 |
自動思考 |
妥当な反応 |
感情の再評価 |
2/10
|
就職試験に
落ちてしまった
|
90%
|
もう自分の将来はない。
絶望だ。
(結論の飛躍) |
まだ面接を受けたのは1つだけ。まだ可能性はある
|
50%
|
第4回 自動思考を止める(行動編)
記録をつけてみていかがでしょうか?
なかなか改善がない場合は行動を変えることで自動思考を止める方法があります。
@身体を動かす
とはいってもうつがひどい場合などは最初は非常に困難に感じられるかもしれません。
腹筋でもなわとびでもあまり動かないで済むことからしてみるのです。
継続すると少しずつできるようになるはずです。
汗をかくようになれれば気分はだいぶ楽になっているはずです。
必死に運動しているときは考え事していないでしょう?
激しい運動になれば運動することに気持ちがいって自動思考を忘れてしまいます。
医学的にも運動はうつを改善することがいわれてます。
A考えごとをする時間を決めておく
これは例えば不安をおこしそうな予定が一週間後にあれば当日までそのことを考え
ないようにすることです。
毎日、不安に圧倒されてしまうと日常生活も台無しになってしまします。それが困難
であれば1日に考えごとをする時間を決めてしまうこともいかがでしょうか?
Bスケジュールを埋めてしまう
やることがあるとそのことを考えずにすみます。
探してみると意外にやることって多いと思います。
なるべく単純な作業がいいでしょう。
好きな音楽に耳を傾けてみる、これだって立派な予定ではないでしょうか?
いかがですか。
最初は行動に移すのはしんどいかもしれません。
少しずつです。積み重ねればきっと大きく変われると思います。
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